トレーナーになったきっかけ
「日本代表選手の靴を作る仕事がある」という話を中学時代に聞きました。
自分にとって何よりも印象深いことでした。
この話をきっかけに、「スポーツ選手のシューズを作りたい!」という思いは明確な目標となり、理系の道に進みました。
大学では物理や流体力学などを学び、就職活動では、有名なスポーツメーカーを受けたのですが、残念ながら内定をもらうことができませんでした。
それでも、「スポーツに関わる仕事がしたい」という思いは尽きることはなく、考えぬいた結果「教える側になろう」と決めて、トレーナーの専門学校へ通い直しました。
トレーナーとしてスタートを切ったけど…
一番はじめは、インターンのような形で大学の陸上部へ指導に行きました。
学校で学んだ技術や知識だけでは、現場ではなかなか通用しませんでした。
「どうしよう、どうしよう」と焦りまくって、冷や汗だらけになったこと。
今でも忘れられません。
「指導者として、このままじゃまずい」っていうのを痛烈に感じました。
と同時に、知り合いもいない東京に出てきて仕事を始めたので、指導できる環境もゼロから築いていかなければならない状況でした。
人との繋がりも、実績もない中で、指導できる環境を作ること。
選手の成果を出せるようにすること。
この2つを同時に行なっていくトレーナーとしての第一歩は、苦労ばかりの日々でした。
ターニングポイントとなったのは「自分の身体で試す」こと
技術に関しては今でもそうですが、【全部自分の身体で試す】というのを自分の中での絶対ルールにしています。
トレーナーを始めた当初は、色々なセミナーを受けまくっていました。
ただそれをそのままお客さんに指導したことは一度もありません。
必ず自分で自分の身体に施して、理論や実際を体感して、自分で納得してからでないと指導の場では使いません。
それはやはり、最初の『学校の知識が現場で通用しなかった』という経験が、かなり残っていたからだと思います。
トレーニングを担当する場合、最初にその競技の一流選手を研究するところから始めます。
競技に関連する動きを自分でも行ない、動画を撮り比較します。
そして、ちがいは何かを分析します。
また、自分で動いて動画を撮り、世界のトップ10、日本のトップ10の選手、あまりレベルの高くない選手も観て分析。その上で、また仮説を立てます。
さらに、自分で動いて動画を撮り、自分の体を変え、また研究して、、、というのを全競技でずっとくり返し、指導の精度を高めていくことにつなげています。
実際の動きに変化が出ることを厳選しながら指導を続けていくことで、「指導がうまくいくかな?」という不安を払拭してきました。
集客に関しても、指導の精度が高まるにつれ、選手が結果を出してくれるので、「何かやってるの?」と選手が聞かれることにより、クチコミが広がり様々な競技の選手がきてくれるようになりました。
選手のステージをより高みへ引き上げるためにできること
現在は多くのプロ選手などを指導させて頂いて、選手のプロ生活のお手伝いをさせてもらってます。
私は自分でもいい意味でお節介だと思っています。
選手の能力が上がるだけでは、正直面白くなくて、【選手の人生のステージが変わる】という所に面白みを感じます。
プロ選手だったら日本代表へ、クラブチームの選手だったらその競技のプロへ、日本で活動しているなら活動の場を世界へ、というように人生のステージが変わることこそ、自分が指導している内容だと思ってます。
なので、私はよく「プロになればいいじゃないですか?」とか「世界にいけばいいじゃないですか?」とか「日本代表なりましょうよ?」と結構簡単に言います。
最初選手も「いやぁ」とか「いやいや無理ですよ」と言いますが、だんだん能力が上がってくると、「あれ、俺いけるかも」って変化してきます。
そしていつしか「世界に行きます!」というように人生のステージを変えようと動きはじめてくれます。
そこに私は非常に喜びを覚えます。
これといった明確な展望があるわけではないですが、スポーツの世界なので、やはり世界に羽ばたいていく選手の指導には力を入れて行きたいと思っています。
これからも私がサポートしていく選手のなかで、一人でも多くの選手が競技人生のステージをより高みに引き上げるように、トレーニング指導して行きたいと思います。
鈴木善雅(Yoshimasa Suzuki)
1980年生まれ愛知県出身
関西大学工学部卒
プロアスリートを中心に、パフォーマンスアップのための施術を行う。理論に裏打ちされた身体の動かし方と、理想的な身体の使い方ができるように骨格調整を行い、選手のパフォーマンスアップを指導、サポートしている。